優しくしないで
第5章 夏のつま先
鏡に映る仁さんの顔を見ながら…
つい…下唇を噛んでしまう
鏡には少しだけ、外の様子が映った…
私は鏡越しに…外を見た…
え………
今…
太一に似た人が通った…?
私は、仁さんに乾かしてもらっているのも忘れて
振り返った!!!
「えっ!!!?留美ちゃん?」
しかし、
太一の姿はなかった…
『ごめんなさい…』
私は、姿勢を戻し…
鏡をみた…
不安そうな顔…
似てい人を見かけただけで…
ドキドキした…
ここに要る訳が…
ないのに
緊張で…
つま先に力が入った…
夏は…始まったばかり…