優しくしないで
第7章 残酷な呪文
ぼーっと放心状態で
歩き…
仁さんの
美容室の前に来ていた…
中の明かりが付いていて、
仁さんが練習しているのが見えた
外のガラスから仁さんの
凛々しい仕事姿を…
何の感情も持たずに見ていた
仁さんは鏡に映った私に気がつくと…マネキンから離れ、外に出てきてくれた
「留美ちゃん?
浴衣…あっ花火大会か!!!
に…しても、凄い着崩れ…中に入りな。治してあげる。今日も俺一人だから遠慮しなくていいから」
手を引かれ…店の中…
に入る前に…
私は膝から崩れた
うっ…ああああああああ
うっうっ…うあアアアアア
ヤアアアアアア―――
嫌だ…アアアアアア
ゴメンナサイ…
ゴメンナサイ…
ゴメンナサイ…
アアアアアア…
太一…太一…
太一
太一