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『乾杯ー！』

グラスやジョッキのぶつかる小気味良い音で今宵の宴は始まりを告げた。

お千『一番最初に結婚するのが、すず とはね』

すず『それはそうかも。結婚とかまだ実感無いもん。』

君菊『素敵なご主人様に出会えて良かったじゃない。
龍之介さんなら安心でしょ？』
と、微笑みながら すず に問う

すずは赤くなり頷く。
その様は、まだまだ幼さを残して可愛らしい。

千鶴『すずちゃん本当におめでとう！
幸せになってね！』
千鶴は心からニコニコとすずを見る

お千『で！どうなの？』
と、前のめりになりながら
すずに千が問う。

既にピッチを上げて飲んでいる千は、目が座っており誰も止められない雰囲気が出ていた。

すず『どうなのって…幸せだよ』

お千『そうじゃなくて！プロポーズとか、普段のごにょごにょとか！』

例え年齢が同じでも家柄的に結婚を急かされている お千はかなり真剣だ。

すず『それは…私達は、龍之介さんの両親が既に他界してるのもあって、私の親が結婚に乗り気ではなかったけど、私も龍之介さんも他の人となんて考えられないって何回も両親を説得したの。』

皆が知らない所で密かに苦労していた二人を今更ながらに知り、
若くてもお互いを信頼し助け合っているのだと、皆は感じた。

すず『だから、特別プロポーズとかなくて、一緒にいようって言ってもらっただけで…』

お千『いや！一緒にいようってプロポーズだし！』

君菊はお千の言葉に頷くが千鶴は分からないといった顔をしている。