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回想

お千 編

買い物に出掛けた時だった。
普段、人の多い場所は苦手だが、
ウィンドウショッピングは好きなので
休みの日に出掛けてみた。

幼く元気に振る舞う一面とは別に、
育ちが良いのだと感じる雅な振る舞いが気づかぬうちに
零れる様に溢れるのは、やはり"姫"だからなのか

一見すると幼なさが勝ち、店内を見ていても店員に声をかけられる事もなさそうだが
一人で出掛けていると、どうしても彼女は目を引くのだ。

店員「いらっしゃいませ。なにかお探しですか？」

お千「ありがとうございます。今、少し見させて頂いても宜しいでしょうか？
御用の際は此方からお声掛けさせて頂きますね」

そう お千が一言告げると頭を下げ店員が去った。

お千はひとつ溜息をついて、店を出た。