年下の彼に一目惚れをしました。
第1章 #1
「そっか。
じゃあ、憂里には頑張って
もらわなくちゃね♪」
千夏は私に飛びっきりの笑顔を
見せて、ノートに視線を移す。
私もノートに視線を移そうとしたら
視界の端に移った人影。
いつもは気にならない筈なのに、
今日は気になってしまって、
視界の端にいる人影を見る。
そこには、本棚に体を預けて
本を読んでいる男の子。
赤みがかった髪に切れ長の目。
黒渕眼鏡が似合ってて、
長い指に長い足。
まるで違う世界から来た王子様。
「気になる?」
「えっ!?」
「あそこで本を読んでる人」
私が彼を見ている事に気付いた千夏は
私とヒッソリとした小声で喋りかけてくる。
私はコクンと首を縦に頷く。
「羽柴 伊織。高校1年生、
1年生にしては大学生並みの頭脳を
持ってて先生達からも一目置かれて
今話題の噂の優等生。」