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最後のキス~琉球の海を渡る風~

第3章 The wind of Ryukyu~琉球の風~

「私は情けない男だな。庭をそぞろ歩くのでさえ、妻をこれだけ心配させなければならない。だが、案ずる必要はない。今日はいつになく調子が良いのだ。ほんの一刻なら、構わないだろう」
 王が藍那の手を握った。
「では、せめて誰か伴の者をお連れ下さいませ」
 王が破顔した。
「余計な邪魔はされたくない。私はそなたと二人きりが良い」

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