テキストサイズ

最後のキス~琉球の海を渡る風~

第3章 The wind of Ryukyu~琉球の風~

「ありがとう―ございます」
 藍那は溢れてきた涙を堪え切れず、人差し指で拭った。
 王の二宮君に似た顔に狼狽が走った。
「いかがしたのだ! 気に入らなかったのか?」
 藍那は泣き笑いの顔で首を振る。
「あんまり嬉しくて涙が出ました」
「急に泣き出すから、愕くではないか。まったく心臓に悪いぞ」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ