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最後のキス~琉球の海を渡る風~

第4章 Forever~永遠~

 王は優しい笑みを浮かべた。
「私はもう起き上がることさえ叶わない。そなたが泣いても、私がそなたの涙を拭ってやれない。だから、もう泣かないでくれ」
 王の吐く息が荒い。藍那は喋ろうとする王を制した。
「どうぞ、今はもうゆっくりとお寝みになって下さい。眼を覚まされたばかりなのですから、急にご無理をなさってはお身体に触ります」

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