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最後のキス~琉球の海を渡る風~

第4章 Forever~永遠~

 その中で小柄ではあるが、存在感のある男が藍那を見つめていた。紫色の冠(はままち)を被っているところを見ると、政治を司る高官の一人らしい。
「王妃さま、このようなときにどこにいらっしゃったのですか?」
 血相変えている男の顔にはまるで見憶えがない。しかし、横から〝朝親方〟と誰かが寄ってきたところを見、この男こそが王妃真戸那の父なのだと知れた。

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