テキストサイズ

最後のキス~琉球の海を渡る風~

第3章 The wind of Ryukyu~琉球の風~

 ふいに引き寄せられ、藍那は身を強ばらせた。王の顔がゆっくりと近づいてくる。
 十九歳の王はかなり整った顔立ちをしている。そう、現代でいえば、小栗旬か、嵐の二宮君に似てるかな、なんて馬鹿なことを考えている中に、彼はいっそう近づいてきた。
 思わず現実に返る。唇の触れる寸前に、藍那は焦って顔を背けてしまった。
「ごめんなさい!」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ