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最後のキス~琉球の海を渡る風~

第3章 The wind of Ryukyu~琉球の風~

 まるで身体中の血が顔に集まったような感じ。多分、王にも今、自分が真っ赤になっているのは判るだろう。 
 王は淡く微笑み、藍那から手を放した。 
「いいんだ。私たちはまだ真実の意味で契りを交わしていない。そなたが怖がるのも無理はないと判っている」
 刹那、藍那は弾かれたように顔を上げた。
―真実の意味で契りを交わしていない。
 つまりは、まだ国王夫妻は男女の関係になっていないということだ。

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