ボ イ ス
第3章 *勧誘メール
ーーーー…
「ウサギちゃん見つかったんだ?良かったね!」
私がウサギのマスコットを手に教室に戻ると、それを見た早苗が嬉しそうな笑顔でそう言った。
「って、見つかったのに微妙な顔してるね?」
いつのまにか伏し目になっていた私は早苗と視線を交わした。
「いや、あのね…これ私が見つけたんじゃないんだよ。誰かが拾ってくれたらしくて、その拾ってくれた人の声が…」
「…声?」
「声が…すっごく良かった…」
ハッ…
「ち、ちがっ、別にそういうわけじゃっ…!」
言ってから後悔したが、時すでに遅し。
早苗はニヤニヤしながら私を見つめていた。
「その人に恋しちゃったんですかぁ?」