
ロイヤル&スレイヴ!
第4章 3.ウワサのあのコとあの4人
微動だにしなくなった東堂くんの両腕をとると、恭介くんは慣れた手付きで手錠にかける。
……恭介くん、なんでそんなの持ってるんだろう?
なんてことないのように手錠をとりだすものだから、
私は困惑を隠しきれない。
けれどそれは他の皆も一緒だったみたいで、全員が度肝を抜かれたように言葉を失っていた。
かろうじて、言葉を絞り出したのが楓くんで。
「……恭ちゃん、それって手錠じゃ」
「ヤですね、なんてことないおもちゃですよ」
語尾にハートマークを付けて、恭介くんはにっこりスマイル。
このスマイルが余計に、怖い。
って思っちゃうのは、助けてもらった身なのに罰当たりかな。
「いや、でもそれ黒いヤツ――」
「おもちゃです」
語尾のハートマークは相変わらずだけれど、
有無を言わせない迫力に、それ以上何も言えなくなったのか
楓くんは乾いた笑いで返した。
