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ロイヤル&スレイヴ!

第4章 3.ウワサのあのコとあの4人


「……さて。で、どうするよ?未結ちゃんをこのままにしておくわけにはいかないっしょ」


ぽん、と手を叩いて空気を換えようとしてくれたのは暁くん。


「とりあえずさ、生徒会室行かね?未結のこと、休ませてやんねーと。……いろいろ説明もしなきゃ、だし」

暁くんの言葉に頷いた猛くんは、

な?と私の方に向かって優しく笑いかけてくれた。


「ん。わかってる」


ぼそりとつぶやいた滝くんが豪快な音を立てて両頬を叩く。

それが気持ちを切り替えるスイッチだったみたいで、

東堂くんに向けて発していた負のオーラはすっかり消えていた。


「未結、びっくりさせてごめんな」

「ううん。……滝くん。それに、みんな。助けに来てくれてありがとう」


まだ喉には何かが突っかかっているような違和感があったけど、しっかりと声に出すことができた。


身体は相変わらず強張っていて、

そのせいで頬が引きつり上手く笑えなかったけれど。


でも、みんな、笑い返してくれた。


冷たくてヒリヒリとした空間に、ぽつぽつと明かりが灯っていくみたい。


かすかに広がっていく、暖かさは皆の優しさ。



そんな気がした。

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