ロイヤル&スレイヴ!
第3章 2,学園生活スタート。
昼休みが終わったことを告げるベルが鳴り
私たちは自分たちのクラスに戻る準備を始めた。
猛くんになんとか話しかけたくて、屋上を後にするときに近くまで駆け寄った。
「猛くん、あの」
「きゃーっ猛、やっとみつけたー!」
女の子の声が階段の踊り場中にエコーする。
続いて、階段を駆け上がってくる足音。
声の主は、純ちゃんだった。
制服のスカートを思いっきりミニにして、ボーダーのニーハイが細い足によく映える。
シャツの上に淡いパープルとイエローのポップなパーカーを羽織っていて、相変わらず可愛い。
「あれ、猛に用?」
滝くんと私はきょとんと、純ちゃんの様子を見守る。
純ちゃんは身軽にぴょん、と猛くんに跳びついた。
猛くんは慣れた様子で純ちゃんの身体を抱きとめる。
「次の授業一緒にサボろーと思ってっ」
えへへ、と猛くんの腕に擦り寄る純ちゃんはなんだか甘えん坊な猫みたい。
「純、サボりもほどほどにしないとヒーちゃん先生泣くぞ」
「もー、生徒会長だからって滝くんうるさいよう」
べぇーっと、滝くんの方を向いて舌を出す純ちゃん。
それをなだめるように猛くんが純ちゃんの細い腰に腕を回す。
「はいはい、ケンカ腰にならないの。俺はべつにサボっても平気よ」
「きゃー!やった、行こ行こっ」
滝くんが慌てて「おい!」と声をかけたけど、
猛くんが軽く手をふっただけで、二人で階段を下りていってしまった。
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