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ロイヤル&スレイヴ!

第3章 2,学園生活スタート。




「きょーすけ、助けて!今俺、泣きそう!」

「ああ、そうですか。どうぞ勝手に泣いててください」

音楽の授業が終わり、未結と別れた後。

俺は、自分のクラスに戻ると

小難しい本を開いている恭介の下へ全速力で駆け寄った。

ひどく迷惑そうに眉間にしわを寄せる恭介は

ホント血も涙もない悪魔だと思う。

「未結に見られた、ヤってるところ!!」

「……それは、最低ですね滝」

要点だけをしゃべったつもりだったんだけど

コイツ、なんか勘違いしてる?

と、思いきや、なんだか背中に突き刺さるたくさんの視線を感じる。

恐る恐る教室を見渡すと
クラスメイト達が怪訝通り越して

犯罪者でも見たような目をしていた。

「ちょ、違う違う!俺がヤってるとこじゃないって!」

「移動教室の途中、どこかのカップルか何かの情事にでも出くわしましたか?」

「そう、それ!」

ようやく誤解が解けたのか

クスクスとあちこちで笑い声がおきて――ぽつぽつと視線が外れていった。

俺と恭介がしゃべっているのはいつものことだから

変な騒ぎが終わった後はいつもの教室の空気だ。

「この学園で生活していくなら
知っておいてもらわないといけないことじゃないですか」

しれっと、答える恭介。

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