
ロイヤル&スレイヴ!
第3章 2,学園生活スタート。
そりゃ正論ですけどね。
俺のメンタル面も心配してくれんかな、このメガネ大魔王。
「――言えねぇよ」
適当に椅子を寄せると、自分の身体を投げ出すように腰掛けた。
恭介の席は教室の真ん中にあるので
しゃべってる内容によっては目立つ。
けど、気にしていられなかった。
「よほど、斎宮さんの事を気に入ってるみたいですが
何も知らないままだと余計危険なのではないですか」
「うっ……。それは、そうだけど――」
この学校はちょっと特殊で、一年も過ごしていれば慣れてくる
……いや、慣れちゃうのもそれはそれで問題だけど
とにかく未結は転入してきてばかりだ。
なのに、あんなことに遭遇して絶対気が滅入ってしまってるはずだ。
そこに俺が畳み掛けることなんて。
俺がどうしていいかわからなくなった様子がわかりやすかったのか、
小難しい本を閉じると、恭介はため息をついて俺のほうを向いた。
「なら、彼女を『クイーン』候補に加えればいいんです」
その言葉に俺は思わず仰け反った。
反動で椅子の背もたれがガタンとおおきく傾く。
「恭介、それって」
「滝は『キング』ですから、その権限もある。『ジョーカー』の猛も彼女を気に入ってるようですし」
「いや、でもそれは」
「もちろん『ベルハウス』で暮らす事になります」
「うう……」
恭介の提案は確かに名案だと思ったけれど、簡単にうなずけるものじゃなかった。
だって。
『ベルハウス』で暮らすってコトはつまり……。
