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ロイヤル&スレイヴ!

第3章 2,学園生活スタート。

だから、この雰囲気のままお昼休みのことを謝ってしまいたかった。
ちょっと口に出すのが怖いけど 思い切って話題にしてみる。

「ううん、なんでもないの。
あの、それより昼休みのことなんだけど」

「あぁ。あれ……その」

少しばつが悪そうな猛くんは、
髪をかきむしった。

「ごめん。俺、機嫌悪くなって、居心地悪かったろ」

「そんなこと。むしろ、
私が怒らせちゃうこと言っちゃったから」

なんだか二人で謝りあいっこしてる。

同じことを猛くんも思ったのか
目があうとクスっと笑ってくれた。

仲直りできたって思っていいのかな。

「未結は悪くないから。んで、俺いいこと思いついた」

席に着いた猛くんはそういって
ニッと幼く笑った。

いいこと?


口に出して聞こうとした言葉は
ドアの開く音にさえぎられた。

ガラガラと明るい響きの音で
先生が教室に入ってくる。

日直の生徒の声で起立と礼を済ませると
ロングホームルームが始まった。





滝くんが言っていたように
ホームルームは委員会や役員決めが主な内容だった。

クラス委員の女の子がてきぱきと進行していく。

ちなみに楯無先生はというと、

「生徒の自主性を尊重するぞ」とにこやかに笑ったきり、
あとの進行はノータッチだった。

教室の隅にいってみんなの様子を眺めている。
クラス委員の男の子の方が
「先生、暇なら書記手伝ってくださいよ」なんて困っていたけど

「ここで見守ってるからな」の一点張りだった。

その様子といい

突っ込みポジションを担っているであろう子たちが

テンポのいい会話を投げかけてクラス中を沸かせる雰囲気といい、

仲のいいクラスだというのがわかる。

転入したてな私は、クラスの雰囲気に触れることができて、
なんだか楽しかった。

そんななかでもクラス委員二人の手腕は見事で、
各委員会の役員は次々と決まっていく。

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