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ロイヤル&スレイヴ!

第4章 3.ウワサのあのコとあの4人


「はい。こちらこそよろしくお願いします。
滝がこれからも迷惑をかけるかもしれませんが……あ」


ふと、なにか嫌な事でも思い出してしまったとでもいうように、恭介くんの眉間に皺が寄った。

頭を押さえては疲労の塊を追い出すように、大きな溜息を一つ。

「滝の名で思い出しました。
そろそろ溜まった仕事を片付けないと。
斎宮さんと喋っていくらか気も紛れて、頭痛も治まりましたし」

私に、そんな特効薬のようなすごい効果は備わっていないと思うんだけど…。


それにしても、溜まった仕事、かあ。

仕事、という響きはなんだか学生にはふさわしくない。

けれども、こんなに大きな学校だもの、やっぱり生徒会長や副会長にもなるとこなさなきゃいけない業務も多いんだろうな。


なにかできることがあれば、と思ったそのとき、保健室に持ち込んでいるお茶会グッズ(主に放課後の猛くんとのお喋り用)が私の脳裏をよぎった。


お薬は渡せないけど、でも。

「あの、ちょっと待ってて!」

失礼しました、と踵を返す恭介くんを慌てて呼び止めれば、
私は食器類を収納している棚向かい、「あるもの」を手にとった。

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