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ロイヤル&スレイヴ!

第4章 3.ウワサのあのコとあの4人


「貴方のことを随分気に入っているみたいです。
斎宮さんとどんなことをしたか、逐一報告してくるんですよ。
くれぐれも斎宮さんの迷惑にならない程度にしろといってあるんですが。付き纏われて大変でしょう?」

「そ、そんなとんでもない!」

考えるよりも先に、というのはまさにこの事で言葉が口から飛び出していた。

「滝くん、嫌な顔一つせず面倒見てくれるから、
ついつい頼ってしまって申し訳ないくらいです。
滝くんのおかげで、学校生活、楽しいです!」

「そう言っていただけると、滝も喜びます」

安堵したように、レンズ越しの瞳が柔らかく微笑む。

どこか気怠げなのは彼の具合が悪いせいなのだろうけど、それすらもハッと息を呑むような色気があった。

「ご挨拶が遅れてすみません。
――僕は右近衛 恭介(うこのえ きょうすけ)と申します。
斎宮さんと同じ二年生です。この学校では生徒会副会長と風紀委員長を務めてますので、なにか困ったことがあればいつでも言ってくださいね」

「あ、はい!ありがとうございます」

「敬語なんて必要ないですよ。同じ学年なんですから」


可笑しそうに笑う恭介くん。

そうはいわれても、一つ一つの立ち振る舞いがすでに落ち着いていて、とても私と同い年の男の子には思えない。

「あと、僕のことも滝と接する時のように名前で呼んで頂けると、とても嬉しいです」

気にしている私を察してくれたのか、優しい言葉をかけてくれる恭介くん。
私は自然に頷くことができた。

「う、うん。じゃあお言葉に甘えて。恭介くんも…」

「僕はこの話し方がデフォルトなので、あまり気にしないで下さい」

思い起こしてみれば、滝くんに付き添って私のクラスまで来てくれてた時も、恭介くんはこんな感じだった気がする。

じゃあ、これが彼の自然体なんだよね。


「うん。わかった。ーー滝くんから聞いてるかもしれないけど、この学校に転校してきました、斎宮未結です。よろしくお願いします」

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