
ロイヤル&スレイヴ!
第4章 3.ウワサのあのコとあの4人
「ねえねえ、君可愛いね」
……どうしよう、この学校って容姿が整ってる人しかいないんでしょうか。
恭介くんと入れ替わりで次のお客様がやってきました。
今日はお客様の多い日だなぁ、なんてことはさておき。
空いた時間せめて予習でも、と
ノートに英単語を書き綴っていた私は、
お客様の開口一番に発せられた冒頭のセリフによって、
指からぽろりとシャーペンをこぼしてしまった。
「めちゃめちゃ俺のタイプ。午後の授業一緒にサボろっか」
そのお客様は物腰柔らかで大人な雰囲気のあった恭介くんとは正反対で。
けれども。
しかし。
でもというべきかやっぱりというべきか、例に漏れず端正な華やかさを持った男の子。
ピンクバイオレットのミディアムショートにくしゃっとさせたパーマをかけていて、
毛束から覗く耳には、シルバーのピアスが幾つも光る。
先生たちからは睨まれてしまいそうな風貌だけど、
私は彼からはしたなさや下品な印象は一切受けなかった。
ただ。
圧倒的なイケメンオーラ漂う男の子が、目の前で。
机に頬杖ついてにっこり目を細めて笑いかけてくれるものだから、
文字通り、私は圧倒されていたのでした。
