
ロイヤル&スレイヴ!
第4章 3.ウワサのあのコとあの4人
楯無先生が言っていた『キング』
楓くんが気を付けてって忠告していた、猛くんのことを指していると思われる『ジョーカー』
何回か耳にしてきたからこそ余計に気になってしまう。
「あ、あの…暁くん…」
「ん、なぁに?デートしてくれる気になった?」
「そ、それはちょっと置いといてもらえると…」
「えー」
口先をとがらせる暁くん。
えーって言われてもな……。
だって、せっかくのチャンスだし。
聞きたい事、思い切って言ってみよう。
私は、すぅ、と小さく息を吸い込んだ。
「キングとか、ジョーカーって一体何のことか教えていただけると、助かるかなって」
「んー。知りたい?」
暁くんは、こちらを確かめるようにじっとりと視線を送る。
金の瞳による見定めをこの身で受ける私は、
彼のその妖艶な風貌に、すっかり魅入られてしまう。
発する言葉を失い、ただ首を縦に二回、振った。
「キングやジョーカーっていうのはね――」
「暁!」
彼の唇の動きを一瞬たりとも見逃さないように、と意気込んでいたまさにその時だった。
涼やかでまっすぐな女性の声が、暁くんを呼んだのは。
声のした入り口の方にちらりと目線をむけた暁くんは、やれやれ、と困った様に微笑んだ。
「――ざーんねん、ここまで。俺、お迎えがきたみたい」
そういうと、暁くんは腰掛けていた椅子から離れて、大きく伸びをした。
扉の方へ向かう彼につられて目線を動かせば、先ほどの声の主の女生徒が立っていて。
ほ、ほんとのほんとにこの学校ってルックス偏差値高くないですか……?
