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ロイヤル&スレイヴ!

第4章 3.ウワサのあのコとあの4人


「んで、俺はというと

話題の渦中にある転校生へ心ときめかせては、ほのかな想いを募らせていた男共の一人、
2年4組一大路 暁(いちおおじ あきら)です。以後お見知りおきを~」

「あ、はい!こちらこそ。斎宮未結です。よろしくお願いします…!」

どんどん彼のペースに乗せられてる気がしないでもなかったけど、私も自己紹介。

それを見て、一大路くんはシャーペンを拾った方の手をひらひらとさせると、握手、とゆっくり唇を動かした。

上目遣いのオプション付きで。

近づいて分かったけど、
色素の薄い瞳は暗い黄色で、琥珀色と言えばいいのかな。

窓から差し込む日差しを受けると金色にも見えて、きらきら光っていて。

こんな綺麗な目で見つめられて、NOと言えるだろうか。

私は断る理由もなく、ほんの少し照れ臭かったけど握手を交わした。
男の子特有の大きな、手。


「やった、これで俺も未結ちゃんとお知り合い~」

「一大路くんってば…ちょっと、大げさって言われない?」

「一大路くんなんてそんな他人行儀のんのん。暁くんって呼んで」


コミカルに口元で人差し指を振って見せる、そんな表情も愛くるしい。


「ケド、あれでしょキングとジョーカーが早くも目ェつけちゃったんでしょ?
二人のガードが固くて一向に近づけない、って男共は嘆きに嘆いているも・よ・う」

語尾にハートマークを付けて、彼…もとい暁くんは茶目っ気たっぷりにウィンク。


おどけた素振りにごまかされそうになるけど、また例のワードが出てきた。

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