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ロイヤル&スレイヴ!

第4章 3.ウワサのあのコとあの4人





男子たちの中で話題騒然だった噂の少女に会ってきた。



そりゃ俺だって男ですから?

可愛い子がいるならお近づきになりたいもん。

ましてや、噂になるくらいの子なら更にね。


滞在時間が短かったものだから、彼女がどういうコかがしっかり理解できたわけではないけど。

でも、素直ないい子だっていうことは充分わかった。

目を見て話してくれる誠実なとことか、意外と考えてることすぐ顔に出ちゃうとことか。

…未結チャン一人でいたあたり、保健室のおっさんは相変わらず学校に来てないっぽかったから、
おいおいどうしようもねえな、とは思ったけど。

まあそれは置いといて。


未結チャンはこのガッコには勿体ない、素直なイイコ。

まー、あいつらが気に入っちゃうのもわかるかな、って。

でも、未結チャンのこと気に入ってるくせに、あいつら二人とも傍にいなかったのは、大丈夫なワケ?
若干心配にはなった。


だってさ、あいつらのことだから言ってないでしょ。


「めずらしーことするんだぁー」

心配、なんてガラじゃないな、とすぐに内心ツッコミしていたら、

俺を迎えに来てくれたマリちゃんが楽しそうに俺の顔を覗き込んできた。

俺の隣を歩くマリちゃんからはムスクの香り。
うんうん、俺の好きな匂い。

「何が?」

「暁が女の子にたいして、『気を付けて』だなんて」

はは、同感同感。

「んー?そりゃ、この学校はヤバいし。狼がわんさかいるっていう意味で」


だって、未結チャンはまだ知らないでしょ、このガッコのことも。

あいつらのことも。

「自分だって狼のくせに」

つややかなグロスで濡れた唇を尖らせては、俺の腕をぎゅっと抱きしめてくるマリちゃん。

女子の象徴、柔らかな膨らみ(大きさはともかく)を押し当ててくるなんて、いじらしいコなんだから。

「なに?マリちゃんは欲求不満なのかな?昨日散々可愛がったでしょー?」

「…ばかっ」

はい、ここで可愛らしい「ばかっ」に惑わされてはいけない。

的確に脚の急所をキックされた。


下履きでとはいえ、アキレス腱を蹴られると結構痛いよ?


さてさて、ご機嫌損ねちゃったみたいだし、俺はこれからマリちゃんのお相手かな。

なんせ、狼なものですから?




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