テキストサイズ

エンドレス

第35章 久美と薫、それぞれの夜

再び久美の家。

薫が絶頂を迎えたちょうど同じ頃、久美はシャワーを済ませリビングのソファーに座り髪を乾かしていた。

下腹部の痛みと生理中特有の憂うつ感がうっとうしい。

だが、何かいつもの生理中と違う。
身体が火照り、乳房が張る感じがする。

生理前の感覚がまだ続いている感じだった。

「初日だからかしら・・」

何の気なしに呟いてしまった。

「ん?どうしたの?」

テレビを見ていた直哉が反応する。

「ううん。なんでもない・・」

慌てて取り繕う。

「・・なぁ・・」

直哉がテレビを消して久美の隣に腰かけてきた。

「なあに?」

嫌な予感がする。

「やっぱり今夜は駄目?」

久美の肩に手をかけて訊いてきた。
最近では珍しいセックスのおねだり。

「駄目よ。出血もあるし、お腹痛いんだから・・」

「ずっと久美が潮吹くところ楽しみにしてたんだよ?」

「・・・ダァメ!」

「ちょっとだけ!ねっ?」

そう言うと、胸に手を這わせてきた。

「ちょっ・・もう怒るよぉ!」

「ずっと我慢してたんだから・・いいだろ?」

「この前電話でしてあげたでしょ?」

この返事はまずかった。
直哉にテレフォンセックスした事(実際には薫とセックスしていたのだが)を思い出させてしまい、よけいに直哉を興奮させる結果となってしまった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ