テキストサイズ

エンドレス

第36章 禁欲

土曜日は1日中生理痛に悩まされた。

あまりにも憂鬱な態度が伝わったのか、直哉も身体を求めては来なかった。
日曜日のお昼前には、休日だというのに出張の報告書を作って来ると会社へと出掛けた。

おかげで、久美はひとり家でのんびりと過ごした。

携帯で薫と連絡をとる。

”今ひとりで家に居ます。まだお腹痛いよぉ!”

”私も昨日始まったよ……(涙)。これから仕事の面接行ってくるね♪”

”どんな仕事?”

”デパ地下のお惣菜屋さん♪”

”えっ?意外~!”

”これからは地道に働くの!それにソープのお客とは会わなそうでしょ?”

「そっかぁ・・・」

この8年がどれだけ辛かったのか、久美には想像も及ばない。

ふと、専業主婦で大して苦労もしていない自分がどれだけ恵まれているか思い知らされた。

”採用されるといいね”

心から思う言葉を贈った。

「頑張れかおちゃん・・」

のんびりするのをやめて、部屋中の掃除を始めた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ