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エンドレス

第36章 禁欲

部屋中の掃除が終わる頃には、外はすっかり夕焼け空になっていた。

「ただいまあ」

直哉も帰宅してきた。

「えぇ!もうこんな時間?すぐに夕飯の仕度するから待ってて!」

出掛ける前の悲壮感漂う久美とはすっかり様子が違うので、直哉が面食らっていた。

「どうしたの?何だかアクティブだね・・」

「体を動かして、気を紛らわす事にしたの!さあ、着替えて待ってて!」

「ふうん・・」

気がつけば、掃除で汗だくになっていた。
汗でTシャツが体に貼り付いていた。

直哉の視線が、汗でぴったり貼り付いたシャツの胸元を見ている事に気がつき、顔を下に向けてみた。

ブラが透けていた。

「・・今いやらしい事考えてたでしょう?・・残念ですけど今日もまだダメですからね!」

「何だよ・・何も考えてないよ・・」

そそくさと直哉が逃げるように寝室へと着替えに行った。

「いい歳して男ってほんとバカね・・」

夕飯の仕度に取りかかった。

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