テキストサイズ

生きたいです

第4章  優しさ


 「優香……この間言ったことは本心じゃない。けど…………嘘じゃないんだ」

 冷たく私にそう言った。

 達哉の言葉に混乱はしなかった。

 なんとなく分かってた。

 本心じゃないってことはもちろん嘘ではないってことも。

 「今は……一人にしてほしい。
  今優香に優しくされたら俺はきっと後悔することになると思うから」

 どうして?

 どうしてそんなこと言うの?

 一人で苦しまないでよ。

 達哉!

 「それはできないよ。
  達哉を一人にすることも。
  優しくしないでってことも。

  だって、きずいたの。
  三年前。
  達哉のようになったとき私は一人だったから。
  寂しくてたまらないかったの。

  でもね、今日負けてもそんな気持ちにはならなかったの。

  それはみんながいてくれたから。

  だから私は変われたの。

  一人じゃないって思えたから。


  だから私は達哉を一人にはしないし優しくする。

  泣きたいなら一緒にないてあげる。
  悲しんであげるから。

  一人で背負い込まないでよ。

             達哉!」


 私同じ言葉いってるよ。

 寛也にいわれた言葉を。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ