
好意室
第1章 第1室
…誰だろう。
ま、いっか。
あたしはそのまま、足を進めた…つもりだったけど、足が進まない。
「え?」
「ねぇ、君、今から、帰るの?」
気づけば、男の子があたしの手を掴んでいるではないか。
「はい。帰りますけど…。」
「え、じゃあ、俺にちょっと付き合ってよ。」
「あ、え?」
はい。って言う前に歩きだした彼。
「え?あの、付き合うってどこにですか?」
「ん?好意室。」
「更衣室?」
「違う、違う。好意室だよ。」
「…はあ。」
意味がわからない。
「まぁ、ついてくればわかるよ。」
そう言われ、ついていくしかない、あたし。
