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少年探偵事務所

第19章 駆け引き

雪が二回目に声を掛け、やっと灰音は気づいた。

「姉さん、いつからここに?」

机から顔をあげずに灰音が聞いた。

「んー、3分前くらい?」

「そんなに!」

灰音の声は驚いたようなのに顔だけはあげない。

「姉さん、町の模型ってある?」

「は?」

「昔、図工で作ったよね?私たちの町の模型。紙粘土でビル作ってさ。結構、精密に作ってたよね。」

「あるけど?一体?」

雪は首を傾げながら灰音に模型を渡した。

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