
姉さんは僕のお人形
第6章 レナとレイ。二人で一つ
「姉さんだけが悪いんじゃない!」
思わず叫んでしまった
姉さんがビクッと肩を震わせる
「あ…ごめん」
「冷くん…急にどうしたの?」
僕は思い出したんだ。幼い僕等の会話を
『姉さん、双子は二人で一つなんだよ。
どっちかが笑えば片方も笑う。どっちかが
泣けば片方も泣くんだ。二人なら、痛いのも
半分こに出来るよ』
『うん!なら、私、冷くんが笑う時は
私も笑う!泣く時は私も泣く!
二人で一つ、だもんね!』
そう。僕と姉さんは双子
二人で一つなんだ
姉さんの苦しみを…僕と姉さんで半分こに
しなければならない
「姉さんが悪い時は僕も悪いんだ…
二人なら、痛いのも半分こに出来るよ」
「冷くん…その言葉…」
姉さんも、あの会話を思い出したみたいだ
