
刻々と…
第4章 距離
朝食をとりながら
弥生はぼんやりしていた
(昨日…メール…返せなかったな…)
(…マスター…心配してくれてるよね…)
テーブルの上の携帯を見る
(卓哉の事…考えたいのに…)
弥生は卓哉との六年間の中で
思い出があまりにも少ない事に気付いた
(最初の年のクリスマスは…指輪欲しいって言ったら
まだ付き合ってそんなたってないのに、指輪は違うんじゃない?って言われて
次の年はお互い仕事で…お正月は卓哉が実家帰ってて…
その次の年も同じで…
その次も…
その次も…
今年も…)
テーブルに涙が落ちる…
