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刻々と…

第2章  歯車



外に出ると
冬の空気が酔いを覚まそうと肺に入ってくる


今日も寒い


「うわ!寒い!早くお店探そうね!」


「あ、はい……そうですね……きゃっ!」



マスターが弥生の手を掴んだ


「ま、マスター!?」

「弥生ちゃん手が冷たいよ
俺も寒いのやだし、こうしたら寒くないよ」


ニコッと笑うマスター


(この人…軽いの?)

「大丈夫ですから…」
「いーのいーの!さぁ行こ!」

また笑顔だ



弥生の手は冷たかったが
酔いのせいなのかマスターのせいなのか

頬だけは熱かった


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