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恋愛short story

第1章 約束

夢中になって

何度も絡めれば

いつしか冷たい感覚は

俺の熱と一体化した。





「んーっ!!ふはぁ…ハァ。」





俺から京香は離れ大きく

肺に酸素を取り込んでいる

耳まで真っ赤な顔して

恥ずかしそうに俺に

背を向けようとした。

咄嗟に背後から

そっと京香を抱きしめると

華奢で小さな身体は

腕にすっぽりと収まった。





俺はもう後戻りはできない。








「俺……お前が好きだったんだ。俺と付き合って下さい。今度はずっと約束守るから」










トクン──




お前は俺をどう想う?







「……絶対だよ…約束だからね。」








暫らくして京香は

聴こえるか聴こえないか

分からない程の

小声で応えてくれた








「あぁ、必ず守る。だから来年もまた一緒に祭りに来ような。」








京香の返事が

嬉しくってそのまま

ギュッと抱きしめた







「もぅ!そんなにしたら痛いよ~」






と俺の腕を

振り解こうとする。





イヤだと言われても

放すつもりはねぇ。

ギュッと引き寄せれば

フワッと甘い

京香の匂い──




それは…

夢の中ではなくて

今度は現実なんだ

って実感する為







ドンッと大きな音が響き

振り返ると夜空に

花火が打ち上がる。





2度目の約束。



今度はしっかりと

京香の手を握って





お前と一緒にいれるなら

また、来年も来よう──

これからずっと2人で




俺は夜空に咲いた

大きな花に誓った。



END

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