
恋愛short story
第1章 約束
「あっ、あの、歩君…。私と付き合って下さい。」
肩を震わせ
真っ赤な顔して
潤んだ瞳で俺に
告白してきた
同じ学年の女の子
名前だって、
初めて今日知った。
振り絞った震える声は
真剣な気持ちで俺に
告白してきたのが
伝わってくる
向こうは俺の名前を
知っていたようだけど、
ごめん。
俺にはその気が無いよ。
「ごめん、お前とは付き合えないわっ。ごめんな…」
冷たいようだけど
あっさりと振るしかない
俺には心に
決めている奴がいるから
まぁ、ソイツは
ちっとも俺の気持ちに
気付いてなんて
いないだろうけど…
実際、
俺の片思いに過ぎない
目にいっぱい涙を溜め込んで
告白してきた子は
走り去って行った。
ハァ…
溜息がつい、漏れてしまう。
