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恋愛short story

第4章 介抱



「熱はないみたいだけど、あんまり無理しちゃダメだよ?」






先輩の声に

薄っすらと目を開けて見ると

先輩は私の額に

自分のおでこを

くっつけていた。



先輩の吐息が顔にかかる…



私の鼻先に先輩の鼻先が

重なっている。






なっ…?

えっ?

これ以上は無理っ!!

私の…身がもちません…






あまりに先輩の近い顔に驚き、

頭の中は真っ白に…





遠くで先輩の呼ぶ声が

微かに聴こえるだけだった。







「う〜ん…せ…先輩…るっ…先輩が…」






「おぃっ!心美、起きろっ!」





「うっ…ん〜アレ?永本くん?」





永本に揺さぶられ

寝惚け眼をゴシゴシと

擦ると気付けば

ソファーの上にいた。






「徹夜したのか?こんなところで寝てたら風邪引くぞ?それに、こんなに食い散らかして。」






永本は私のデスクに散乱した

バームクーヘンのゴミを

片付けている。






「ごっ、ゴメン。今片付けるね。」







昨日…

先輩とあんな事があって…

ハァ……。


あれは夢だったのかなぁ…





そそくさとソファーから

起き上がり永本を

手伝おうとすると、

ガチャりとドアが開いた。







「おはょ〜雪平、目が覚めたんだね?アレ?永本早いね〜。」






開いたドアから

現れたのは先輩だった。

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