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恋愛short story

第4章 介抱



「はぁ〜腹減ったぁ…。心美〜メシ奢りな」






永本は椅子の背に

寄りかかり両腕を

高く上げて身体を

伸ばしている。






「そうだよね。ありがとう遅くまで付き合わせて。ご飯食べに行こうか?」






「そうと決まれば早く行こう。マジ腹減ったわ」






私は永本を連れて

大学から近い行きつけの

カフェBARに向かった。

店に入るなり、

マスターが驚いた顔をする。






「おっ!心美ちゃん、今日は男連れか?もしかして心美ちゃんのコレか?」







マスターは親指をビシッ!と

立ててニヤニヤしながら

話してくる。






「ちっ、違うよー!大学の同期だって!同じゼミなの。」






チラッと横目で

永本を見ると

黙って照れくさそうに

頭をポリポリ掻いている。






ぇええーー!

違うって否定してよ

永本くん…。

誤解されちゃうよっ!





「取り敢えず、ビール貰えますか?心美は?」





「あっ、うん。じゃぁ私も」





暫くしてマスターが

持ってきたビールで乾杯した。






「お疲れ様!永本くんのおかげで今日は助かったよ!ありがとうね!」





「別にいいって。それより乾杯っ!」






カチンと手に取ったグラスが鳴り、

ゴクゴクと喉元に

冷たい感覚が流れ落ちる。

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