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第1章 約束
「見てみてコレ。懐かしいよね~町内会のお祭りの時だよ」
「あぁ…」
話なんて頭に入ってこない。
身を乗り出して俺に話す京香。
揺れる髪が俺の鼻を嗅ぐわす。
俺の心をそうやって
いつも掻き乱す。
お前は無邪気な顔して…
甘い匂い──
クソッ……
本当にヤバイな…
俺……
胸の鼓動が
トクントクンと脈を打つ。
「あっ、歩…。」
「ん?何」
さっきまで一人で
ペラペラ話していた京香。
俺は聞いてなかったけど
急にモジモジし始めた。
目だって俺から逸らしてるし。
「歩……あのね…お願いがあるんだけど……」
お願い??
何だよ?
「歩が、イヤじゃなかったらキスして?」
