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恋愛short story

第4章 介抱


気付けば、すっぽりと身体は

先輩の腕に収まっていた。







「ん?私はってなぁに?」






耳のすぐ傍で囁く声は低く、

くぐもった先輩の声。







「塁先輩…痛っ…」







抱き締めている腕に

力が入るのが私の全身に

伝わってくる。








「こうでもしないと誰かさんに心美を獲られちゃうから。」







ギュっと強く抱き締められた身体は

痛いほど強く、

逃げることが出来ないくらいに

キツく抱き締められている。








「せっ…先輩ぃ…」







先輩に引き寄せられていた

身体がゆっくりと

引き離された。







「ねぇ〜心美……。俺のことどう思ってる?」






先輩の茶色の瞳と

目がカチ合う度に

胸の鼓動がトクントクンと

高鳴っていく。






「どっ、どうって…そのっ、すっ……す…」








先輩のことが好きっーーー

初めて見た時から

気になってました。

いつだって先輩を

目で追ってる自分がいて…

頭の中は先輩のことしか

想えないんです……。



強く抱き締められた感覚が

薄れる前に

この気持ちを伝えたい!

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