テキストサイズ

僕は絵しか描けない

第8章 コンテストの結果

「なんかあんた見てるとムカつくのよね……」

こちらの方を見もしないで馬場さんは吐き捨てた。

見てないでしょ、馬場さん。

なんて憎まれ口を言えるはずもない僕は椅子に座り詩子さんの新しいネームを見ていた。

音もなくドアが開き、力なく詩子さんが部室にやって来た。

「どうしたの、詩子さん?」

僕の問いかけに答えず、詩子さんは最新号のGANGをバサッと僕の前に投げて寄越した。

いくら勘の鈍い僕でもその意味はわかった。そして結果も。

黙ってGANGを手にとって巻末の新人賞コンテストの結果欄を見る。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ