テキストサイズ

僕は絵しか描けない

第8章 コンテストの結果

二、三回没を頂いた後にようやく詩子さんの合格を貰えるキャラが仕上がった。

わざとらしすぎず、かといって無個性でもいけない。

その微妙なラインをなんとか描いた。

僕がキャラ作りをしてる感に詩子さんはデジタル式温州みかんの続きを描いていた。

「って、続き?」

「そう。大賞獲ったら連載だからね。続きも描いておかないといけないだろ?」

いつもながらポジティブでアクティブな詩子さんには驚かされる。

けど、そんな詩子さんは嫌いじゃない。

恋人にはしたくないタイプだけど。

こうしてようやく応募第二作目、『デジタル式温州みかん』は動き始めた。

夏の暑さも忘れたくらいの、秋の日のことだった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ