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僕は絵しか描けない

第8章 コンテストの結果

そんなかっこいいことを言ったが、本当は失恋の痛みを何でごまかしたいだけなのかもしれない。

漫画に打ち込むことで胸の痛みを忘れてしまいたかった。

どうせ僕は絵しか描けないんだから。

何度も思い描いて、描いては破る。

どうしても僕には詩子さんの注文に見合う絵が描けない。

詩子さんに借りたファッション誌を何度も読み直し、イメージを掴もうとする。

ダサい僕にはなかなか理解しがたい。

ミラノとパリのコレクションの写真集から特に前衛的なファッションなブランドの服をデッサンしてみる。

そのままではいくら近未来とはいえタウンユースには向かないくらいのデザインの服を仕立てるデザイナーの発想力には驚かせる。

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