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僕は絵しか描けない

第9章 ダブルデート!?

バーベキューの片付けが終わる頃には日も暮れていた。

僕らは用意していた花火で遊んだ。

今までろくに交遊関係を築いてこなかった僕は友達とする花火なんて小学校低学年以来だ。

火薬の匂いと草木の匂いが混じり、川の流れる音と虫の鳴く声が聞こえた。

夏なんだなと実感させられる。

花火の明かりに照らされた妹尾さんは何となく古い映画のワンシーンみたいでノスタルジックに感じられた。

このまま一生高校生だったらいいのにな、とはじめて思った。

初恋の人が目の前で彼氏とはしゃいでるけど、不思議と僕の心は浮かれていた。

これが青春なんだなって生まれてはじめて実感しながら。

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