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僕は絵しか描けない

第11章 僕たちの絆

『デジタル式温州みかん』は無事締め切りに間に合い、投稿した。

GANGへの応募を頑なに曲げない詩子さんだが、今回駄目なら他の賞への応募を提案しようと僕は決めていた。

GANGの新人賞は労多くて功がない。

プロを目指すなら利益も考えないと駄目だ。

それに僕にも少し、欲が出てきた。

漫画の作画なんて無理だと思っていた僕だが、描いているうちに自信もついてきた。

正直デジタル式は自分で言うのもなんだが、相当の自信作となった。

プロになりたいかと言われればわからないが、詩子さんの役に立ちたいかと言われれば答えは決まっている。

少しだけ、ほんの少しだけだが、詩子さんに恋心に近い感情を感じていた。

なんだかずいぶんと言い訳じみた言い方だけどさ。

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