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僕は絵しか描けない

第11章 僕たちの絆

「クロッ! 大変っ!!」

詩子さんは僕の手を痛いくらい強く握ってきた。

「な、なに!?」

「月刊GANGの編集者がいまから会えないっかって!!」

「嘘っ!?」

とにかく急いで僕たちは月刊GANGの編集部があるビルへと向かった。

お世辞にも綺麗とは言えない受け付けで名乗るとすぐに奥へと案内された。

「あー悪いね、急に呼び出しちゃって」

無精髭が目立つ寝不足そうな、いかにも編集者という風貌の男がすぐに現れた。

「い、いえっ」

「俺は安立光太郎(あだちこうたろう)。GANGの編集者だ」

名刺を差し出され、恭しく僕たちは受け取った。

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