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僕は絵しか描けない

第11章 僕たちの絆

「でも……安立さんの言うことも確かだよ……僕の絵には魅力がない……それは、自分だってわかってるから」

否定されたいという甘ったれた気持ちで呟いた。

「わかってるよ……あー、もうめんどくさい奴だな」

詩子さんは僕の顎をきゅっと持ち上げて僕にキスをした。

「なっ!? な、な、なっ!?」

「クロの絵があと一歩なのは童貞だからだっ……女を知ればきっともっと良くなるから」

詩子さんは照れと怒りがごちゃ混ぜになった顔で僕を睨む。

「は、はぁ!? それ、どんな理屈なの」


僕の抗議が終わる前に詩子さんはもう一度僕にキスをした。

今度は舌を口のなかに入れてくる、深いタイプのキスだった。

「んんっ!?」

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