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僕は絵しか描けない

第12章 未完成のまま、僕は

ネームを作画するのが僕の役目だ。

日記を盗み見るのはマナー違反以外のなにものでもない。

僕は日記帳を箱に戻し、別の原稿を手に取った。

しかし日記の存在が頭にこびりついて離れない。

手を震わせながら僕は詩子さんの日記帳を取る。

(読んじゃ駄目だ……)

頭ではわかっている。
だけど読みたいという衝動は止められなかった。

「ごめん、詩子さん……」

謝りながら、僕は日記を開いていた。

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