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僕は絵しか描けない

第3章 信頼関係

馬場さんのことを頭から消してキャラのイメージ画に専念する。

生き生きとしたキャラクター。
人物を見るだけで想像が膨らむような魅力的な絵を目指して。

何度も描いては消し、紙を破り、書き直す。

久々に必死になって描いた。

絵を描くというのは模写するのではなく、創造することだ。

久々にそんなことを自分に戒めながら。


描き上がったのは午後十時を過ぎていた。

夢中なりすぎて時間も忘れていた。

ふと携帯電話を見ると見慣れない点滅があり、それが新着メールを報せる合図だということに気付くのに時間がかかった。

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