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僕は絵しか描けない

第7章 僕の失恋

「いらっしゃい」

しかし僕より早く、母は玄関に向かっていた。

もしかしたら玄関付近で待ち構えていたのかもしれない。

「お邪魔します」

妹尾さんはいつも通り、臆することもなく母さんに挨拶をして笑う。

「か、母さんっ!! 出てこないでって言ったでしょ!?」

「感じのいい子ねー!! お名前は?」

「妹尾です。妹尾ひなたです」

僕を素無視で母さんと妹尾さんは挨拶を続ける。

「もうっ!! 妹尾さん、こっち」

母さんから引き離すように妹尾さんを部屋に連れていく。

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