
キャラメル、甘く
第1章 *条件
「でもね、絢菜さん。
絶対彼を嫌いになんてなれないですよ?」
「なんでよ?」
「何でなのかな、分かんないけど」
軽く考え込んだ晴海ちゃんだったが、答えが出てこないみたいだ。
「……まあでも、
彼氏としては最低でした」
「でしょうね…」
そんな会話を晴海ちゃんとしばらく続けていると…
「あ、きた」
「どこどこっ!?」
晴海ちゃんが手を振る。
名前は確か、
“橘 圭太”
「この人が言ってた人。絢菜さん」
晴海ちゃんが改めて私の事を紹介してくれる。
「望月 絢菜です。
突然呼び出したりしてごめんね!」
自己紹介するついでに、まじまじと彼を眺める。やってきたのは、ごく普通の男子高校生。確かにかっこいいし、モテそうな感じではあるけど…
